009懲りないバカ旦那
(「000東大パパ」から続けて読んだ方が楽しめます)
大学二年生の夏、東京生活を満喫しまくりでめったに里帰りしない私に、母から電話がかかってきました。
「この夏は帰ってきて。お父さんが手術をするの。首の手術で、万が一ってこともあるから……。」
首の手術????
とりあえず帰省。真っ先に病院に向かうと、首をギブスのようなものでがっちり固定した姿で父は入院していました。
「バカ旦那、大丈夫?」
「しばらくは首の牽引なんかでごまかしていたけど、もうどうにもならなくってな。腰椎やってしまったら、頸椎もやってしまうもんみたいだな。」
そんな感じで見舞うものの、父は何事も笑い話で済んでしまう強運の持ち主なので、これといって深刻な雰囲気にもならず、久しぶりに実家へ。
そこで私が見たのは、バリバリ現役でテレビにつないである3DOと、その中にセットされた信長の野望でした……。
父は同じゲームを3年間やり続けていたのです。
結局、首の手術は成功。さすがにその後、3DOは物置に片付けられた様子でした。
と思ったら、PC版信長の野望の箱を書斎で発見。
寝室でふとんに座ってのプレイスタイルは諦めて、ちゃんとイスに座ってデスクトップPCでプレイするようになっただけでした。3DO版はいくらなんでも飽きただけだったのかもしれません。
これだけやらかしても、何だかんだで幸せそうに生きている父です。幸せな星の下に生まれたつくづくおめでたい人です。
そのおめでたさが、我々三兄弟に少なからず遺伝しているのが、とてもありがたいことだと思います。
幸せは遺伝するもので、それは幸せを感じ取るために脳が分泌する化学物質の配合が遺伝するってことです。そして、それと同じくらい大切な遺伝の要素が、親が幸せそうに生きている背中を子どもに見せてやることです。
この幸せのバトンを、きょーちゃんやだいくんにしっかり渡してやりたいものです。
(「010ラードちゃんとパックンチョ」につづく)
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