女子の力学とガリ勉
きょーちゃんの通園バッグに付けていたキーホルダーの一部がお友達によってむしり取られるという事件が起きました。
それはそれはカワイイキーホルダーで、リボンから宝石みたいな飾りがいくつもぶら下がっています。その飾りの一つをお友達がポケットに入れて持って帰ってしまい、おうちでお母さんに見とがめられて次の日に返してくれたというのが事実関係の模様。
子ども同士の間では落ちていたのを拾っておいてあげたという話になっていたものの、母親同士が顔を合わせたときに謝罪されて真相が発覚したのだそうです。
妻と二人の時間にそんな報告を聞いた私は反射的に、
「そんな魅力的なキーホルダーを付けていたのも悪いよ。」
と言いました。良識派のありがちな見解を何気なく言ったつもりでした。
すると、妻が思いの外、強い調子で反論してきました。
幼稚園ではキーホルダーを一つだけ付けていいことになっていること。
そのきまりを守らずに複数付けている子もいること。
そもそも我が家は長いこと付けさせていなかったが、幼稚園でまわりを見渡すとみんなが付けていてきょーちゃんがかわいそうだから一つだけ厳選して付けたこと。
上履きは白無地のきまりを我が家は厳格に守っているが、キャラクターがプリントされたものをかなりの子が履いていて、それは参観日に私も見ているはずだということ。
妻は私の意見にかなり怒っています。
しかし、私にしてみれば、他の子の目を引かないような子どもだましのキーホルダーでお茶を濁しておけばいいとしか思えません。カワイイことにそれほどこだわる必要性を感じないのです。
しばらく平行線の口論が続いた末、妻が放った一言に私は衝撃を受けました。
「みんながうらやむカワイイモノを誰がいち早く持っているかが、女子の力関係を決めるんだからね!」
この一言で私の好奇心のスイッチが入ってしまい、妻もぼんやりしていた考えがシンプルに表現できたことに満足してしまい、口論はどこかへいってしまいました。代わりに、この説を深めていく会話が始まります。
「でもさ、それって俺が東大で出会った同級生の女の子達は、また別だよね?」
「そうだと思うよ。ガリ勉の人達は別世界の人だし。」
久しぶりにガリ勉という言葉を聞きました。東大ではまず聞かない言葉です。でも、このカワイイモノをめぐる女子の力学を語るには、「ガリ勉の人達」という表現は絶妙です。
男子校育ちの私にとって長年の謎だった「女子の力学」の秘密が、やっと見えてきたように思いました。
言われてみれば、ごくごく単純な話で、
ファッションリーダー=リーダー
なわけです。でも、何だかんだで腕力が権力の源泉となる男子の力学からすると、ファッションなんて取るに足らない(ように思える)ものが権力の源泉になるなんて、なかなか実感が湧かない価値観なのです。
もちろん、このファッションの表す意味の範囲やカワイイの基準はグループごとに違うわけですが、そこに学校の試験の点数がほぼ無関係なのは間違いありません。
ということで、家庭には価値観の振れ幅が出来るだけ大きくあった方がいいと改めて思ったのでした。
「主流派女子のものさし」と「ガリ勉の人達のものさし」とで両親がチャンバラしていれば、子どもも安心して自分のものさしを振りかざせますから。
ちなみに、「ママ友の力学」は、この上に様々な力学が加わってますます大変なのだそうです。
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