みんなちょっとずつ特別 良い意味でも悪い意味でも
大阪に住んでいた頃のマンションは、隣の建物に怪しい新興宗教の道場が入居していました。
休日になると、集められた信者の子ども達がリコーダーで「世界に一つだけの花」を練習する音が延々と聞こえてきました。以来、「世界に一つだけの花」が嫌いです。
花と言えば、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」というアニメを見ました。最終話で随分泣いてしまいました。岡田磨里さんという脚本家が担当した作品です。岡田磨里さんの作品として他に「放浪息子」も最近見て、これまた良かったです。
岡田さんは、人間の業を丁寧に描いてくれます。最初に強烈な業を抱えた主人公が登場します。他のキャラクターは主人公を遠巻きに見ています。でも、何だかんだで主人公との距離が近づいてきて、それにつれて他の登場人物も実は抱えていた業が明らかになってくるという展開が多いです。
何だかんだでまわりのみんなも業を抱えているわけですから、最終的には、最初強烈に見えていた主人公の業が、ちょっとした個性にしか見えなくなってしまいます。しかも、とっても愛おしい個性です。
ただ、そのちょっとした個性を、「世界に一つだけの花」と表現してしまうのは、過剰に美しいと思うのです。美しすぎて、怪しい人達に都合良く利用される危険性が大きいと思うのです。
一方で岡田磨里さんの作品は、人間の業が生み出す痛みを、どこかできちんと強烈に格好悪く描いています。だからこそ、その業が強さとして発揮されたときの美しさが際立つのです。
うちの子は、世界に一つだけの花なんて大したものじゃありません。
うちの子も、よその子も、みんなちょっとずつ特別です。良い意味でも悪い意味でも。
その程度でいいと思うし、それがちょうどいい美しさだと思うのです。
「放浪息子」と「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」は、女性でも見やすいというか、むしろ少女漫画に近い世界なので、レンタル店などで見かけたらぜひ。
ちなみに、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」のエンディングテーマはZONEの名曲「secret base~君がくれたもの~」のカバーです。あの歌がヒットした2001年に「10年後の8月また出会えると信じて」と歌われてから、とうとう10年が経って8月が来てしまいました。当時、この曲は「キッズ・ウォー3」の主題歌で、子役として主演していた井上真央ちゃんも、今や朝ドラで母親役という…。
カバーされた「secret base~君がくれたもの~」のCDを思わず買ってしまいヘビーローテーションで聞いています。やっぱり名曲ですね。
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