« おはじき | トップページ | 色をテーマにした傑作の謎解き »

2012年1月28日 (土)

リーダー的存在(笑)

住んでいる集合住宅の前を朝から雪かきして帰ると、妻からあからさまに心のこもっていない

「お疲れさま。」

の声。案の定、我が家が当番でもないのに私が一人で雪かきしたことが気に入らない様子です。

雪かきは当番制になっているのですが、子どもの居ない入居者が増えたことで、制度は完全に崩壊してしまっています。

「そんな顔したって、誰かがやらなきゃ困るでしょ!だったら俺がやるんだよ!」

「なんでうちなのよ!小学生の子どもがいるところがやればいいと思うんだけど。」

雪かきされないことで一番困る世帯がやりたければやればいい、うちは当番の日だけで十分というのが妻の主張です。雪かきされず通路が滑りやすくなった場合、転倒して怪我する恐れが一番高いのは小学生です。きょーちゃんやだいくんのような幼児は大人と手をつなぐから大丈夫だと言うのです。

もはや、「使命」だからやるのではなく、「対価」を得られるからやるという考え方が大原則の時代だとは私も思います。雪かきも受益者負担なわけです。となると、子どもの居ない世帯が雪かき当番を無視するのは、どうしようもありません。大人はとりあえず歩ける程度の中途半端な積雪量の地域なので、大人だけの世帯は雪かきの必要性を感じていないのです。

そして、小学生の居る世帯も当番以外は出てこないため、放っておくと通路はぐちゃぐちゃのつるつるになってしまいます。そんな状況でも、小学生が必ずしも怪我するわけではない、あくまで危険が高まるという問題ですし。

だからこそ自分が率先してやるというのが私の昔からの流儀です。小学生の頃から常に学級委員で無闇にリーダー的存在だった私は、何でも自分が多めに負担するのが当たり前でした。自明の理だと思っているので、自分の負担が比較的多いことにはストレスを感じません。あくまで相対的に多いだけで、自分が破綻する量を担うほどバカでは無いですし。

一方で、最近の妻は幼稚園の父母会で何か役割を担わされそうで憂鬱だとぼやきっぱなしです。行事の準備で誰かに指示を出すような立場なんて絶対に勘弁してほしいそうです。自分の負担が他人よりわずかでも多いと感じた途端に、それがすさまじいストレスになってしまうのです。

「俺がこうしてリーダー的存在のありようを背中で示しつつ教えていけば、きょーちゃんやだいくんは花子みたいに悩まないですむように育つよ!リーダーシップとって率先してやるのが当たり前になっちゃえば、人生はむしろ楽なんだって!」

「はぁ!?あなたの流儀を子どもに押しつけるのは止めてって言ってるでしょ!じゃあ、あなたの両親も同じようにやってたって言うの!?」

「……。や、やってたよ!おふくろは親戚とか職場の貧乏くじを黙って引いて淡々とこなしていて、だから最終的に誰よりも信頼されるんだなぁって思っていたし。おやじはヘタレなりに得意なことは率先して引き受けるタイプだから何だかんだで許される感じだったし。まぁ、二人ともリーダー的存在では無いけど……。」

「そんなご両親に同じように育てられた弟さんや妹さんは、結局、あなたと全然違う感じに育っているじゃない!あなたは生まれつき、そういうのが好きなだけなの!それを子どもたちに強制されても困る!って言うか、リーダー的存在(笑)いいように利用されるタイプってだけだよ。学級委員ってそうやって押しつけるもんじゃん(笑)」

「そういう学級委員もいるけど、俺は違うの!俺は昔も今も本当の意味でのリーダー的存在なの!」

「じゃあ、何で出世しないの?(笑)」

「これからするの!だって、リーダーにするなら俺みたいな人の方が色々な意味で仕事がやりやすいと花子も思うでしょ!?」

「いや、まぁあなたは偉いと思うし、世の中にはあなたみたいなタイプも必要だと思うよ。でも、普通は利用されておしまいだって。とにかく、きょーちゃんやだいくんに、それを強制するのはダメだって。」

ということで、お互いの価値観を思う存分ぶつけ合って、お互いそれなりに理解を深めつつも譲らない、いつもの感じで何となく仲直り。

妻も、私が好きでやっているだけだという姿勢を徹底してくれれば文句は無いとなったので、これからも私は率先して雪かきをしていきます。

「情けは人のためならず」の真理というか、率先して多くを負担する人が結果的に得をする(こともある)という世の中の理は、種を蒔いて収穫するまで10年単位でかかるのが当たり前です。何年も背中を見せ続ける親だからこそ、子どもに教えてあげられることです。

そのためにも、単なるお人好しで終わらないように、私も収穫まで頑張らなきゃいけません。何だかんだ言って、それなりのしたたかさが無いと、妻が言うように利用されておしまいです。

確かに私も言葉が足りませんでした。単に人より多くの負担を引き受けるだけでは、今の時代、お人好しとして利用されるだけです。目指すべきは「したたかなお人好し」でした。好んでリーダーになるかは別として、「したたかなお人好し」でなければ、誰もリーダーとして認めてくれず、ミッションを成功に導くことは出来ません。

まぁ、私も、取引先の人が敷地の前を多く通りかかる時間帯に限って、雪かきがしたくなるわけですが(笑)。

にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ←クリックしていただけると更新の励みになります

|

 ははは、いやあ、奥様はじつにドライというか割り切ってますね。ウチの嫁サンもどっちかというとそういうタイプです。
 でも、社会を支えているのは東大パパさんみたいなタイプの人ですよ。
 はっきりしているのは、費用対対価をシビアに考える人間は、あまり他人に信用してもらえないし、好かれることも少ないということです。人から信頼されるのは「この人は自分の得にもならないことを私のためにやってくれている」と思わせる人です。

投稿: shira | 2012年1月29日 (日) 22時17分

それでもパパさんとママさんがうまくやっていらっしゃるのが素晴らしい!

うちなら「おう!わしら価値観ちがうわのお!」で決裂・・・仲悪い・・・そしてガラ悪い・・・

私も専業主婦時代は結構「やられた!あ!また利用された!くそ!もう誰にもタダで何かやったげたりしないぞ!あ!またやられた!」でループしてましたので、ママさんの気持ちがわかるような気もします。女の人はドライ、と言うんでしょうか、一日の終わりに家計簿をつけると、お金と時間の使い方を振り返ったりするんですよね~結構~

・・・この何もできなかった三時間はよそんちの子ども預かってた時間・・・この無駄な午後は幼稚園のクラス委員でだらだら過ごした時間・・・この突発的なケーキ代はよそんちの子が来るせいで・・・あああああなんて私だけ損してるのかしら!!!とか。

今は忙しすぎて、そういう考えもしなくなりましたが、今度は「忙しいから休日に外出したくない」とか夫に言うと、『忙しい忙しいと言う奴に限って仕事のできない人間だ』とか言われる羽目に・・・ああ仲悪し・・・

投稿: う~ん | 2012年1月31日 (火) 07時26分

はじめてコメントさせていただきます。あばと申します。いつも興味深い記事ありがとうございます。

「情けは人のためならず。」・・・に続く言葉は、
「自分のためである。」だと、私は思います。

非科学的ですが、良心から他人のためにした行為は、
めぐりめぐって必ず自分を助けてくれると思います。
いいことも悪いことも、他人にした行為はすべて自分に還ってくる。

私も、ついつい損得を考えがちですが、自分ができることは無理のない範囲で他の人にしてあげられるようにしたいなと思っています。

投稿: あば | 2012年1月31日 (火) 11時27分

>>shiraさん
私は他人から好かれることが大好きなので、こういう行動原理になるのかもしれません。他人から好かれることの優先順位って、それほど高くない人が多いのかもしれないなと思ってみたり。好かれることが大好きな人っていうのも、よくよく考えてみると我ながら色々と気色悪いですしね。これも結局は程度問題なのだと、妻とのやりとりでしっかり認識できて良かったです。持つべきものは価値観の違うパートナーですね。

>>う~んさん
うちもけっこうガラ悪いですよ(笑)妻はほのかにヤンキー風味なのが魅力なタイプですし。
費用対効果には一般的に女性の方がシビアなものかもしれません。大学のサークル時代の飲み会では、上級生の支払額は「漢気(おとこぎ)にお任せします。」というのが慣例でした。敢えて大きな負担を背負ってみせることで、自分の能力を誇示してみせる男の見栄という側面もあるのでしょうね。だからこそ、リーダーに必要な素養だとも思いますが。

>>あばさん
コメントありがとうございます。
自分の行為がめぐりめぐって自分に還ってくることは、科学的なことだと思います。私も何だかんだで長期的に見て損はしないつもりでやっていますし。ただ、非常に気長というか、10年単位で考えることが普通な性格なので、気の短い人からすると損に見えることをやっているのかもしれません。
これからもお気軽にコメントどうぞ♪お待ちしています。

投稿: 東大パパ | 2012年2月 2日 (木) 10時09分

Check このエントリーをはてなブックマークに追加

育児の日々」カテゴリの記事

お気軽にコメント下さい



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/523402/53846871

この記事へのトラックバック一覧です:

« おはじき | トップページ | 色をテーマにした傑作の謎解き »

 

HOME どんなブログ? 反響の大きかった記事 メール RSS

Copyright 2011 Daisuke Azuma All Rights Reserved.